苦悩する消防士(阪神大震災10年の回顧から)>   『 経営品質的な見方から:04/09 』 

出動命令された場所に行く途中に火災があった場合、その付近の住民の声を聞いて消火を開始した消防士。・消火栓の水が使えないため、海の水を消防車14台接続して消火に当った消防士たち。(稼動40%に落ちた)上記のような様々なかつてない状況が発生した。これを教訓にして、阪神地区では、①地域消防団の強化、②最新鋭の消防車を導入、③空撮システムの導入、④防火水槽の設置が行われている。

消防士が行動する際に一番重要なことは、命令に対して如何に忠実に実行できるか、命令が全体を俯瞰した形の命令になっているかが重要なポイントとなる。そのための対策が上記となった。これに加えて最後に残るもの。それは、消防士のメンタルモデル(ものの考え方)の意識改革だった。

責任感だけで仕事をしてしまうと、足元を見すぎてしまう。上記の如く、周辺住民の声に反応したり、稼動が下がってまで消防車をつないでしまったりということが発生する。これ(責任感)に加えて、「見通し力」を併せ持つことが重要となる。
どこを消火すれば、効果的なのかを見定めることが重要なことだ。方向性とスピードを併せ持つ仕組みづくりが求められている。

企業経営も全く同じ事で、責任感だけでは足元ばかり(目先の利益)に囚われて、将来の見通しがないがしろにされがちになる。この両者を併せもつことが重要な事なのです。(千葉県経営品質協議会、自己診断塾セミナーより)